「日本私立歯科大学協会」(中原泉会長)が1日、セミナー「歯科医学?歯科医療から国民生活を考える」を開いた。
同協会は、歯科医学の教育、研究と歯科医療の発展を目的に、全国の私立歯科大学歯学部が加盟している。セミナーでは、中原会長は「虫歯、入れ歯という以前の歯科医師のイメージを払しょくし、新しい歯科医師像を認識してもらえれば
」とあいさつ。日本歯科医学会副会長の井出吉信?東京歯科大学副学長が「超高齢社会における歯科医師の役割とは」、日本歯周病学会理事長の伊藤公一?日本大歯学部教授が「歯周病と全身の健康との関係性について」と題して講演した。
井出副学長は、国内の死因の第4位が肺炎(07年)であることに関係し、基礎疾患により、口腔(こうくう)内の細菌が
増加する高齢者が誤嚥(ごえん)することで、肺炎にかかる誤嚥性肺炎について説明。特に高齢の要介護者について歯や義歯、口腔粘膜など「口の中に何らかの問題を抱えている」と話し、「健康な方は歯科医に行くことができる。いちばん問題なのは要介護者の人々がうがいもできないなど、口の中を清掃できない場合。少しでも清掃できれば細菌の量が違う。晩成期
の病院、あるいは自宅に帰った際に(清掃を)行う人がいない。それを育てなければならない」と指摘。歯科大学の摂食?リハビリテーション科で学生をはじめ、卒業者らの教育を行って従事者を養成している現状を語った。
伊藤教授は、日本人が歯を失う原因の1位が歯周病、2位が虫歯であり、歯を失った際のリスク、歯周病の予防が口腔がんをはじめとす
る咽頭(いんとう)、喉頭(こうとう)、食道がんの予防になるという愛知県がんセンター研究所の研究を紹介。また歯周病や虫歯の原因となる「プラーク」の細菌が、歯肉の炎症や歯槽骨から吸収されることで心臓血管障害や、感染性心内膜炎、糖尿病など全身疾患と関連すると報告した。「プラーク」の除去について「歯ブラシできちんと磨けばかなり落ちるが、取
り残しが必ず出る。殺菌効果のある洗口剤などの薬剤と両方をうまく使うのがいちばんいい方法」と話し、「(洗口剤は)爽快(そうかい)感があるのできれいになったと誤解してしまうことがあるが、あくまでも補助的に。基本はブラッシングか糸ようじで磨く。(歯と歯肉の間の)ポケット内洗浄を専門家である歯科医師のところで定期的に行うことで相当防げる」 rmt CABAL
とアドバイスした。
金子譲?協会副会長は「口腔の健康は全身の健康につながる。全身の健康のための入り口として、口腔の健康保持が重要。そのため、教育カリキュラム、研究の対象はかつてとは変化し、生命化学の色彩が強くなっている。歯科医療の範ちゅうが変わり、歯科医学研究は歯科医療の変化と共に新しい時代に入っている」と話していた。(毎
日新聞デジタル)
引用元:信長 rmt
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